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20歳のような恋をする、いい年をした私の妄想日記


by hori_sawa

ゆっくりと始まる

このブログを書き始めたものの、まだ迷いがあります。
今のこの気持ちが本当に「恋」なのか、確信が持てないのです。
なぜかといえば、あまりにも久しぶりのことなので。
どういう心の持ちようが恋なのか、わからなくなっている自分がいます。
情けないですね。
でも、日々、これが恋なのだと、確認したい。
悲しいことに、妄想かもしれないけれど。

随分長い別居生活を経て、昨年離婚しました。
覚悟をしていたことなので、割合と静かに受け止めていると、自分では認識しているのですが。
もしかすると、自覚症状のない淋しさのあまり、少し心が弱くなっているのかもしれません。
そんな隙間に、ふっと入り込んできたのが、彼なのでしょうか。

彼は、一緒に仕事をしている人。
むしろ上司といったほうがいい立場の。
私は転職したばかりで、全てのことを彼に教えてもらいながら、日々仕事をしています。
そして、彼はとても若い。私とはちょうど一回りの年の差。
なのに、私はその業界での知識はほぼゼロ。
最初彼は、そんな私を使いあぐねて大変そうでした。
頼まれる仕事はコピーやファイルといった程度。
打たれ強いと思っていた私も、最初はかなりへこみました。
彼だけでなく、職場全員からの信頼をなんとか得たいと、無我夢中で、雑用でもなんでもやりました。
しばらくして、彼がある書類の郵送を頼んできたので、
何気なく書類に目を通してみると、脱字を発見。てにをはのおかしいところもあります。
そこで、「ここ、抜けているので、もしよければ私が直しましょうか?」と声をかけました。
「あ、はい。お願いします。」と淡々とした様子の彼。
忙しい人なのだな、と、少しだけ役に立てたという喜びもあっという間に失せました。
その後も似たようなことが何度もありました。
おそらく、彼は書類の体裁より中身を重視するタイプなのでしょう。
けれど、私は古い人間なので、体裁を無視することができません。
その都度、嫌がられているかもしれないと思いながらも、指摘し続けました。
あるとき、同僚から、「私の上司がAさん(彼)をうらやましがってたよ。」といわれました。
「なんで?」と聞くと、「Aさんが、『僕のは彼女(私)が全部チェックしてくれますよ』って
いってたから。」と。
どきりとしました。
私には一言もありがとうといったことがない彼が、そんな風にいっていたとは。
いつかそのことばが私に伝わるかもしれないと思ったのでしょうか。
いや、素直にお礼をいうこともできないほど若いのだなあとしみじみと思いました。
少し嬉しい反面、世代の差を感じた出来事でもありました。
ただ、そのときから、彼に認めてもらいたいという気持ちがささやかながら芽生えたのだと思います。
by hori_sawa | 2010-01-09 00:14 |